飲食店で働いておられる方へのヒントになればと思って書きます。
さて、飲食店で実際働いておられて、こう思ったことはありませんか?
「働いても働いても、赤字なんてありえないはずなのに、赤字・・・一体どうすれば良い?」
「みんな12時間平均、休みは週1回、労働基準法無視の環境で、なぜ赤字?」
さて、この疑問は、そもそも、飲食店の経営の全てが網羅されている疑問です。
値付けであったり、材料の仕入れであったり、立地であったり、お店の構造であったり、
様々な要因がこの状況に影響しています。
働いておられる皆様が、自主的に改善するのには、限界がある内容も含まれています。
しかし、敢えて言いますが、「改善できないことは決してない。」ということです。
現場の管理者の方が最も最初に考えなければならないことは、
まず!「お金をかけないで改善できることはないのか?」
ということです。
「そんなことあるわけないぞ・・・あるならとうにやってるよ。」
という言葉が聞こえてきますが、果たしてそうでしょうか。
例えば、お店を見渡して、お金をかけないで動かせるものはどれくらいあるでしょう。
- 入り口に置いてある可動看板
- お店のかさ立て
- スリッパ
- 消火器
- メニューブック
- お冷のポット
- お絞り
- メニュー刺し
- 箸
- 食器
・・・・・・・・・・・
など数え上げればキリがありません。
さて、その一つ一つについて、考えてみてください。
「そこにある合理的理由はあるのか?」
1つでもいいので、何かを取り上げてみてください。
「そこでなかったら、もっと効率が上がる位置はないのか?」
意外と、今ある位置の理由がいい加減だったりします。
例えば、
「オープン時にそこにあってそのままだった・・・」
「いつの間にか、そこに決まっていたし、誰も文句を言わない。」
というのが、散見されるはずです。
そこで、変えたほうが良いとなる場合でも、必ずぶち当たる壁があります。
それは「慣れ」の壁です。
ものがある位置は、人間は最初は意識して覚え、次にそれが無意識に刷り込まれ、
やがて体がおぼえる状態になります。
そうなると、頭を使わない状態になり、自然と楽で効率的な動きになるのです。
しかし、その位置より、より効率的な位置にものを動かす場合、
人間はまたはじめからおぼえなおさなくてはいけません。
そういった場合は必ず、「ベテランの反対にあう」のです。
ベテランになればなるほど、それがストレスになる・・・つまり「意識しておぼえなおさなくてはいけない。」
からです。
様々な抵抗があるでしょう。
誰かが勝手にもとの位置に戻したり、批判めいたことを言ったり・・・些細な改革にも痛みが伴います。
しかし、「敢然と合理性を説き、押し通す。」しか効率化はありえません。
人の良い管理者に成り下がれば、お店は効率化できずに、やがて赤字になり、雇われていた人
全てを路頭に迷わせてしまうのです。
効率化はやがて、従業員を救いますから、ベテランの抵抗にはひるまずにやってください。
その対策として、「前もっていち早くベテランの方にチャンと説明しておくこと」をおすすめします。
そうすれば、ベテランさんが推進役を買ってくれたりする場合もあります。
そういう環境を作ることも改善の秘訣です。