飲食店の販売チャンネルのお話

マーケティング

飲食店は、今までの販売スタイルだけでは、運営が難しくなってきていますが、その原因を探ってみましょう。

お客さまの行動パターンの変化が、この状況を生み出しているのは事実です。

根本にあるのは、人口が高齢化していることと失業率UPのダブルパンチで、労働人口が減少しているのが大きく影響しています。

そのため、GDPの伸びがほとんどゼロで、日本では可処分所得が減り続けているという現実があります。

そうなると、消費行動は、同じ食べ物でも、よりエンターテイメント性の低いものや、より大量生産しているもの、非嗜好品に移っていきます。

そこで、苦しくなるのは、居酒屋・高級レストラン・高級和食(寿司・懐石など)・高級菓子店・嗜好品など高付加価値の店舗です。

一方伸びるのは、惣菜・パン・低価格ファストフード・B級野菜など・・・

低価格志向によっての影響が見えます。

もうひとつの軸は、当然ながら、安心安全志向です。

スーパーでも、無添加食品・有機野菜・地産地消野菜が元気ですし、そういうものを使ったレストランも元気です。

その代表は、「道の駅」や生産者直売所です。

地元のB級品を安く提供したり、地元の農家さんなどの手作り品がたくさん並んでいます。

安くて新鮮で、なんとなく安全(本当に有機栽培しているものは少ないのも事実ですが、田舎で野菜などを売っていると、なんとなく安全そうなイメージがありますね・・・)に感じるので、打ってつけですね。

そういうものは、これからも伸びていくでしょうね。

販売チャネル

さて、実際それらの現地食材を飲食店で提供しようとすると、さまざまな難しい問題に直面します。

なぜかというと、一般的なレストラン・居酒屋などは、独自ルートで食材を調達できるところはごくわずかです。

私の推測ですが、生鮮品を除く約90%程度を食材卸専門業者経由で入荷してくるものを使っています。

食材業者が持っているものは、大変便利なものがたくさんあり、使いようによっては、現場にとっては助かるものばかりです。

なぜなら、現場がそれを求めてきたからでもあります。

ここ何年かは、現場は売上の低迷によって、人件費の削減を余儀なくされてきました。

技術の低いアルバイトさんでも、何とか形になる中間製品や、調味料が売れていくのですね。

そうなれば、巷の飲食店ではどこも似たような味付けが生まれて行きます。

それで、お客様はどう判断するか・・・・「あっちとこっちが料理が同じようなレベルだし、安いほうに行こう・・・」となり、さらに売上減少の負のスパイラルにはまってしまいます。

それを打開するには、消費者の食の行動パターンに合わせて、飲食店も販売方法を変えなくてはいけないのです。

例えば、移動販売とか・・・商品化して小売するとか・・・、今まで考えもしなかったことを考えていかなくてはいけない状況です。

それを手をこまねいていては、何も進みはしません。

「サイト作って、販売してみよう」というのも、商品が出来てサイトを作れば売れるほど簡単ではなくなってきています。

そこでも競争は熾烈です。

何でもかんでもやれるほど、時間もエネルギーもないかもしれません。

ですから、販売チャンネルをいくつも持つということは、本体の業態のスリム化、効率化、単純化なども同時にやっていかないと、経営効率を落としてしまいかねないのです。

総合改革になるのは必死です。

でも、一歩踏み出したものが、次のステージにいけるのです。

茹で蛙になる前に、行動しなければいけないのです。

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