飲食店の企画を作るとき、当然ですが、まずオーナーの考えを伺います。
「オーナーは、この飲食店を作ることを通じて、どのような人生を歩まれようとしておられるのか・・・」
それぞれの方々が、人生観がまったく違いますので、そこを間違ったら話になりません。
私ども自身の考えや人生観は捨てて、いかにオーナーの考えになりきるかがポイントなのですが、「それでは経営は難しいですよ」といってしまう自分もいます。
最近のご相談を色々総合すると、飲食店を純粋にビジネスと捉えられているオーナーは、逆に珍しいかもしれません。
むしろ、素敵なお店、評判の良いお店がしたい・・・・とか、会社を辞めて、割と時間に縛られない生活がしたいとか色々なのですが。
忙しすぎて、プライベートがなくなるのは、その方々にはかえってマイナスなのですね。
その場合、私どもは、利益を最大化する提案をやや控え、むしろ、経営が成り立てば、あとはスローな余裕ができる提案を心がけます。(これが結構難しいのですが。)
一方、ビジネスとして最短距離を歩みたいと考えられているオーナーには、商品のクォリテーと商品力のバランスや、労働生産性をあげるご提案を優先します。
そういうわけで、私どもは、あくまでも黒子なのです。
さて、そうやって、企画はオーナーの意思を最大限に尊重して作ります。
その企画には、オーナーの考えや、人生のストーリーとその後のストーリーが一貫性があるように作ります。
しかし、その場合でも、そのストーリーに現実性がなければ、結局は変更せざるを得なくなります。
いかにも無理なお話は、私どもとしても、僭越ながらやや修正を提案させていただく場合もあります。
しかし、それは、オーナーの意思を尊重する上での原点のストーリーをはずさないことが大事なのではないかと思うのです。
私どもとしての仕事は、実現性の高い企画とストーリーをオーナーの意思を尊重し作ることが、もっとも成功といえるのです。
自分をできる限り捨てる(ただし、オーナーが危険な道を歩んでいれば、前もって注意喚起する)・・・・それができなくてはいけないのですね。