現場教育のキモ│飴とムチといいますが、ムチはいらないという話│それはなぜ?

教育

日本人の特徴、それは勤勉であり協調性が高いといった声が聞かれます。

その日本人の美徳が、時として弱点となる場合があります。

結論を先に述べます!

日本人には「飴と鞭」はNG

「飴とスルー」を使え!

飴と鞭

その理由です。

日本人の満足感には特徴があります。

「成功すること」が満足ではなく、「失敗しないこと」が満足なのです。

これは、性格という、あとからどうにでもなる部分ばかりではありません。

気合や訓練でどうにかなる部分ではない、DNAの特徴が行動にも影響していると言われています。

日本人の遺伝的性質にあったトレーニングをやらなければ、効果は上がりにくいのです。

詳しく話すと、

脳の中にはセロトニンという物質があり、セロトニンが多い人は「安心感を感じやすい」や「心配をしない」という性質をつかさどる神経物質です。

本番に強かったり、楽観的に物事を見たり、挑戦をしていくタイプの人に多い物質です。

そのセロトニンが神経細胞から出て、神経細胞に再吸収してリサイクルするためのタンパク質があります。

それはセロトニントランスポーターという物質なのですが、

日本人はセロトニントランスポーターの機能が低く、結果的にセロトニンの量が少ない人の割合が多いのです。

端的に言うと、「心配性の人が多い」のです。

国によって、遺伝的にセロトニントランスポーターが少ない「心配性」の人の割合は違います。

欧米人:50%以下、南米:30%以下、しかし、日本人は80%を超えているのです。

10人いたら、8人が心配症という国民です。

例えば、プレゼンの前に過剰にプレッシャーを感じてしまうなども、その心配症がなせる業。

それは、悪いところばかりではなく、その心配症がゆえに準備をしたり練習をしたり努力をする、

そういう面では世界で一番努力をする民族です。

プレゼン

また、日本人は最も正確性を重要視します。

人間には意思決定のプロセスが2つがあり、それはXシステムとCシステムです。

Xシステムは感覚的・反射的に選んでしまう(即決即断)意思決定。

逆に、理性的に考えているのがCシステムで、長期的に物事を合理的に判断しますが、意識的に計算する分、決定まで時間を要します。

心配性の多い日本人は、反射的に決定しようとしたときブレーキを踏み、「よく考えて決めなくちゃ」となりがちです。

正確さや安全策が優勢な意思決定に従おうとします。

さて、実際の飲食店の営業現場で必要な行動決定は、Xシステムです。

次々に現れる状況に合わせ、即断即決しなくてはいけません。

そういう早い意思決定が求められる場面では、日本人の性格は裏目に出てしまいます。

もう一つ、ドーパミン。

ドーパミンは快感をつかさどる物質で、その物質を受け取って神経に伝えるのがドーパミンレセプターです。

そのドーパミンレセプターの割合が、人によって違うというのです。

少しのドーパミンでスイッチが入る人と、そのスイッチが入りにくい人がいます。

そのスイッチが入りにくい人は、たくさんのドーパミンが必要なので、

どんどん新しい刺激を求めたり、チャレンジをしないと満足できない性格になっています。

その満足を感じにくい人の割合を世界的に見てみると、南米は世界的に見て高いことがわかっています。

つまり、南米の人は、次々とリスクを求め刺激を求める国民性だと言えます。

その割合は、南米では40%に上りますが、

逆に、日本人は、、、1%以下でです。

それがどういう性格傾向になるかというと、チャレンジをすることを回避する性格になります。

それは、「失敗しないこと」が満足という傾向です。

逆に南米人は、チャレンジしないことがストレスになります。

日本人は、チャレンジを褒めないメンタリティなのです。

日本人の性格としては、持っている性格として、「チャレンジをしろ」といってもなかなかしない。

そこで、それを克服するためには、、、、仮に失敗しても、それをチャレンジの失敗ととらえずに、

日常のことだととらえることが必要です。

失敗が当たり前のことだと、想定内だと、とらえることです。

そういうことを総合すると、

日本人に有効な教育スタンスは、

「飴とムチを与える」教育法ではなく、

「飴だけを与え、間違った場合はスルーをする」教育法なのです。

「飴とムチを与える」教育法をやっていると、

そもそものトライやチャレンジをしてほしい場面で、動かなくなるのです。

何もしないことで満足してしまう国民性だからです。

現場能力が未熟なスタッフに対しては、怒るのではなく、失敗したことはスルーするのが正しい。

うまくいったときは、「よかったよ!!」と褒めてやることです。

何も言わないと、自分の失敗を振り返って「どこがいけなかったか」を考えるようになります。

最後に必要なのは、「ナビゲーションニューロン」を鍛えること。

酔って記憶がなくても、家に着いていたというのはナビゲーションニューロンが働いているからです。

そのナビゲーションニューロンをうまく現場に利用するためには、反復練習です。

反復練習

パニックに陥っても、どんなに忙しくても、勝手にナビゲーションニューロンが働いて、

適切な行動をしている、、、そうなることが理想です。

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