飲食店開業、飲食店コンサルティングが仕事のいい繁盛店株式会社松島です。
去年の9月の予測通り、「いきなりステーキ」がその時点でピークを迎えて凋落中です。
本当に残念というか、、、もうちょっと「戦略」をしっかり考えておけばよいのに。
改めて、日本の首都圏がいかに特殊なマーケットエリアであるかが認識できたと思います。
「狭くてもよい」「みんな忙しい」「インフラが整備されてて」「顧客層が若年層がおおい」「年収も多く、消費も盛ん」
など、、、、おおよそ同じような地域が日本でどれくらいあるのでしょう。
高客単価×高回転×高原価率が成り立ちうる場所であるのは間違いない首都圏。
そういう立地特性では「いきなりステーキ」のような業態は成り立つということを、、、
どうして間違ったのか、「日本の地方都市でも成り立つ」と解釈してしまった。
ちょっと前の、「俺のフレンチ」シリーズも同じです。
さて、その二つとも、、、ほぼ同じ間違いをして、ひとり焼肉の「焼肉LIKE」はどう修正してくるのでしょうね。
上記2店と共通点は、首都圏エリア発生の特殊な業態ともいえること。
しかし二つの業態との相違点は、価格帯が安いので、高回転が地方でも望めそうな点で、
やや生存率は高くなりそうなイメージです。
一方、地方に回れば、せわしなくチャチャっと食事を済ます、、、そういう業態はなかなか生き残れません。(あくまでも現時点の話です。)
地方都市において、食事の本来的な楽しさである、「会食」という習慣は、特に週末には大切にされています。
3世代(孫からおじいさんおばあさんまで)楽しめる業態に週末は勝機がまだ十分あります。
とはいえ、地方も核家族化の波は免れ得ず、そういう業態にしがみついていけば、ジワジワと減少する顧客層の奪い合いで疲弊し倒れていく羽目に陥ります。
かつて、円高デフレ時に出色の勢いだった日本マクドナルド、ガストなどの低客単価業態も、そういう食文化の揺らぎに直面しました。
そうなった時、店舗数を減らして対応したのは、本当に正しかったと言えます。
私が言いたいことは、端的に言えばこういうことです。
飲食業は『お客様の「胃袋」と「財布」を奪い合っているに過ぎない。』ということ。
だから、数兆円産業にするのは、1業態(同じやり方)では無理だということを理解すべき。
ハンバーガーばっかり食べる文化に日本がなる場合にのみ、日本マクドナルドが数兆円産業になりえます。
サブウェイの失敗も同じく、バンズや挟むものを選びに選んで、野菜たっぷりのパンの食事、、、日本人は日ごろそんな食事シーンに飢えてはいない。
3食ともパンで過ごす人はまだ少ないですし、バンズのこだわりもまだ浸透してもいない。
一方、麺も米食も、日本人の胃袋をシェアしています。
そういうことを念頭に、その業態の限界は日本人の胃袋をどれくらいシェアできそうかを、
計りながら多店舗展開していかなくてはいけません。
ほんと、何年飲食業界で生き残っても、こうなってしまうのでしょうかね、、、残念です。
たくさんのスタッフの生活のすべを、吹き飛ばす判断をしないように願ってやみません。