生き残る飲食店の基本って何だろうか?

飲食店開業

飲食店に関するトータルコンサルティングおよびプロデュースがお仕事の松島です。

飲食店を始めようとされる方が一番気になるのが、生き残ることができるのだろうか・・・

ということです。

よく、本やサイトに掲載されているデータに基づけば、

開業した飲食店のうち3年後に生き残る割合が30%とか10%だとか言われています。

※勘違いしちゃいけないのは、今ある飲食店が70%潰れて他の飲食店に替わっているということではないです。新しく始めた飲食店が、生き残れていないということです。

ikinokori

さて、この業界を30年以上現場からまた、あらゆる角度から見てきたのですが、

だからと言ってすべてを理解していると思っていません。

しかし、そこまで飲食店というのは難しいのでしょうか。

私は、3年以内で潰れてしまう飲食店は、簡単にいえば準備不足であったと思っています。

コンセプトが大事だとか、よく言われるのですけれど、それは確かに本当に大事ですが、

その前に、経営を軌道にのせるストーリーがきちんとできていなくてはいけません。

経営を軌道にのせるストーリーは主に3つの視点から作り上げます。

3年以内で潰れてしまった飲食店はどういう準備をしなくてはいけなかったのでしょうか。

1つ目:リピートできる商品やサービスに達しているか

飲食店の経営が軌道に乗るためには、やはりリピート客になります。

集客だけを意識して、例えば、超大盛の商品を入れていたとしても、

それがリピート客になるはずがないですね。

リピートするためには、当然ですが総合的な満足感が必要です。

また、ポイントポイントでお客さまがお店を思い出すほどの商品になってなくてはなりません。

例えば、高級な洋食レストランにおいては、クリスマスには思い出してもらって、利用してもらわなくてはいけません。

クリスマス利用だと、総合サービスの満足度や、デザートの充実、ワインなどの脇役が必要になるでしょう。

一方、逆に日常利用の洋食レストランでは、気軽さ・おいしさ・量のちょうど良さ・フレンドリーなサービスなどが重要になります。

リピートが確実にある商品やサービスがある飲食店は、概ね30%じゃないかと思います。

現役飲食店でも、正直言いまして、アイデアは面白いのですが、

リピートできる商品になってないというのはありがちです。

そういう場合、アイデアに酔わずベーシックなことをきちんと詰めておく必要があります。

逆に、商品がおいしいだけでもよくなく、料理が古臭かったり、受けなさそうなのものも

リピートできる商品には達してないともいえます。

2つ目:いったい何か月で黒字化するのか・・・

昨今は最低でも黒字化に6か月はかかります。

黒字化するためにはお店の存在をお客さまに知ってもらわなくてはなりません。

その手段はどうするのか。

例えば、費用をかけず口コミを中心に認知してもらいたいと考えるならば、商品の完成度が重要になります。

※1つ目で申しあげたとおり、いずれにしても商品の完成度は重要ですが。

黒字化するまで、当然お金は出て行きますが、その運転資金は用意していなくてはいけません。

ですから、お金を内外装費に偏り過ぎないで、運転資金をちゃんと残すことです。

何はともあれ運転資金がなければ終わります。(資金配分)

3つ目:黒字化した時のお店の姿に無理がないか・・・

黒字化したとき、お客さまが何人来なくてはならないか、というのは、

家賃や商品価格や席数で決まってきます。

スタッフも何人くらいで運営すればいいのかも分かるでしょう。

そのモデル像がちゃんと頭に入っているかが重要です。

例えば、

客単価1000円で、手作りのたくさんの種類を盛り込むランチを

スタッフ3人で昼50人を接客しなければ黒字化しないと言うモデルは、

存在することが難しいので、様々な微調整が必要になります。

一方、業者さんから入る既製品を加工しただけで、お客さまをリピートし続けることは不可能です。

また、OPEN前には、様々なアイデアを思いついてわくわくすると思いますが、

実際やってみると、そんなにたくさんのことはちゃんとはできないのですね。

無理なくちゃんと運営できて、その時の売上がそこそことれる形が現実的に望めなくてはなりません。

それをある程度きちんとイメージし予定しておかないと、OPENしてから迷いに迷いだします。

まず、お客さまやお友達の言うことにフラフラしだします。

お店のことを思って言っていただいているからありがたいのですが、

その指摘すべてに、チャレンジしてはいけません。

御忠告がコンセプトの方向性と違えば、それには多少目をつぶって運営しなくてはいけません。

完全主義は飲食店の経営にとっては、邪魔になります。

やればやるほど泥沼にはまります。

何かを改善したつもりでも、他の何かができなくなります。

それは人の意識や労働時間には限界がある一方、

全てを良くしようとして、人的資源を投入しても、そのコストを商品にすべて転嫁できなくなるからです。

※コンサルタントの姿勢として、欠点を指摘して修正するのは、ばかげています。

なぜなら、欠点を修正するには、何らかの人的資源を他から持ってこなくてはいけないからです。

限られた人的資源の中で、どこかの負担を少なくし、その分を振り分ける必要があります。

飲食店にとって労働力は有限資源ですから、無駄なくそつなく使わなくてはいけません。

だから、他から抜きんでるところは、必要なのですが、その部分は全てではなく、

逆に限られなくてはいけないのです。

例えば、弊社にも200項目以上のチェックリストがあるのですが、目的は100点を取ることではないです。

60点いけばいいところでしょう。

でも、その60点の内容が、そのお店に来ている方々や、来てほしいお客さまに支持される内容になっていなくてはなりません。

例えば、男性客を狙うラーメン店は、おしゃれ感は要らない場合が多い、むしろトタン作りでもいいです。

一方、商品のボリュームや価格のほうは非常に大事です。

この黒字化したときの姿が「GOAL」です。

GOALに無理がないかが本当に重要です。

3つの視点で、経営が軌道に乗るまでの道筋が描けるでしょうか。

キチンと考えれば、難しくないことです。

そういうことがちゃんと準備できてなければ、もちろん潰れるべくして潰れます。

黒字化の道筋がちゃんと見えていれば、

また軌道がずれていないかを気を付ければ、3年後お店が存在しないってことは、

経営環境が大幅に悪化しない限りあり得ません。

※それでも、世界的不況とか、大型店の出店とかで、危機はやってきます。

商品のレベルが飲食店の中の上位30%に入ってないにもかかわらず、

飲食店の真ん中レベルで飲食店ができると思っちゃいませんか?

平均点レベルでは新参者は確実に生き残れませんよ。

黒字化までの運転資金の手当ては出来ていますか?

完全主義になっていませんか(強みを限定してください!)

飲食店の新規OPENの3年後10%しか残ってないと言うのは、

逆にそれほど準備がなっていない状態でスタートする飲食店が多いからです。

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