飲食店開業やコンサルティングをしている松島です。
仕事をする上で、私が気をつけていることがあります。
それは、「実存しうるかどうか」です。
私は他のビジネスにおいては、詳しくありませんが、飲食のビジネスにおいて、実存はよくぶち当たる問題です。
例えば、「こういうお店があたると思います。」「こういうお店がここにあると私は行きます。」・・・・
そういうことから、「自分にもこういうアイデアがあって、誰も気づいていないようだから、成功する(かもしれない)。」と思ってしまう事がよくあります。
しかし、アイデアだけや、自分の内なるニーズにのみ出発点がある飲食店は、必ず「実存可能性」の問題にぶち当たります。
「実存可能性」が乏しいとは、例えば、
1.高級レストラン並みの惣菜を販売すれば買いたい人はいる。・・・・・
2.繁華街で、スローなカフェをすれば、買い物に疲れた人が癒されに来る。・・・・・
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など、人は時に、様々なアイデアや自己欲求からの想定ニーズにビジネスチャンスを見出そうとします。
しかし、やがて経済性の壁に全て跳ね返されてしまうのです。
高級レストラン並みの惣菜を想定して作っても、冷たいからそんなに美味しく作れないし、惣菜は日常的な食べ物だから、安価でなければならない・・・・原価割れしてしまう。
繁華街でスローなカフェは、家賃が高いので、客席でゆっくりされると、コーヒー2,000円じゃないと成り立たない・・・・・そんな人いませんよね。
とか、なってしまう。
経済性が成り立つ中にこそ、実現性があります。
それが実存出来るかどうかなのです。
我々も、コンサルティングをさせていただく中で、「実存可能か」は最も重視するスタンスです。
「あるべき姿」を追い求めすぎて押し付けることが、どれだけ無意味かを知らなければ改善は出来ません。
お店の持っている与えられた資金や人、場所の特性など様々なことを勘案し、実現可能な新たな選択肢を我々は提示し、それを実行に移し実現することですら簡単ではないのですから。
・・・・非常に地味なのですけれど、改善の飛ぶ幅が小さくとも、大幅に飛ぼうとも、「実存可能か」が、最も重要だと思っています。