飲食店経営や飲食店開業プロデュースに関して書きます。
さて、人間は、後悔したくないという心的防衛から「良いところに目を向け、悪いところから目をそらそうとする」傾向があると言われています。
特に「これはこうなんだ」という確信に近いものをもってしまうと、
それを覆す事実を探そうとするのをやめ、自分の確信を支持する事実を集めたり、
そればかりが記憶に残ったりして、その結果、なおさら確信が強くなっていくことがあり得ます。
そういう人間の思考傾向を「確証バイアス」と言うようです。
飲食店の経営において、この「確証バイアス」が客観視を遅らせ、経営のピンチの脱出を妨げることもあり得ます。
例えば、新しい試みを発案し、「これがどうしてもヒットする。」と信じ、それを推し進めたとします。
やがて、その考えに従って一件のお店がOPENし、一旦チラシ効果や、TV取材などの販促効果で単月で一気に黒字化したとします。
ここで、飲食店主やオーナーは、「やはり当たった。これが顧客の求めているものだったんだ。」と確証してしまうのです。
やがて、初期販促が効く時期が過ぎ、商品のクォリティー、商品の持つ魅力度そのものが、リピート客に繋がらないとき、
この悲劇は襲ってきます。
「ほら、見たことか、成功したじゃないか。」→売り上げが減少しても、「いや、考え自体は間違っていない、何かほかの問題がある。」
そうやって、コンセプトと顧客ニーズのズレを最初から見直すことなく、
発案が正しいはずだ、やり始めたことは絶対に間違っていない・・・・と、考えが硬直化してしまう。
顧客と同じ目線ができない経営陣が陥る単純な罠です。
でも、良く引っかかっています。
アホじゃないかと、誰もが傍から見れば思うのですが、当人たちが全く分からない。
また、周囲にYESマンばかりおいていると、又はワンマンだと、
この「確証バイアス」は会社やお店を破綻まで連れて行きます。
自分もそうなのですが、いつも問いかけ「果たしてそうなのか」と自分のやっていることに、
疑問を投げかけ、微修正や、時には大胆な決断をしなければならない。
私にも、あなたにもその危険はすぐそこにあるのです。