飛ぶ鳥を落とす勢いの「いきなり!ステーキ」のペッパーフードサービスの中間決算が出ました。
ご覧の通り、昨年上半期から、売上昨年比181%、売上総利益173%となっています。
一見、計画比も悪くないからよさそうですが、気になったのが、営業利益が124%しか出なかったことです。
今回の数字が出る前に、いきなりステーキは危ういと予測をしてましたが、それが現実になるようです。
売上の伸びは、地方進出効果+首都圏の店舗増加です。
ここも問題です。
なぜならば、そもそも、いきなりステーキのコンセプトは、価格の割りに商品価値のある肉料理を
立ち食いに近い形でさっさと食べさせるためのものでした。
しかし!!それを地方に持っていけばどうなるか。
地方は違ったことを要求されます。
まず、サラリーマンが都心部と違って外食費を潤沢に持っていない。
都心部が外食頼みになるのは、高い家賃で住宅事情が厳しく、
また、女性の社会進出割合も高く、ダブルインカムの世帯が多い。
そのために外食費を使うし、お昼にお弁当なんか作ったりめったにしない。
あと、都心部の忙しさ、、、、仕事に追われているために、早く食事を終わらせなければいけない。
だから、時にはちょっといいものをさっと食べようという需要が生じます。
一方、地方は全く逆。
- 立ち食いがNG.
うどん蕎麦ですら座ります。 - 駐車場が必要で、駐車場の出入りが、店舗の回転数に影響する。
さっと食べない、、、例えば、食べた後、車の中でタバコを吸う。 - テレビの影響で行ってみたが、何度も利用するのは経済的にちょっと無理な価格
いくら肉を食べたいとは言え、週末バーベキューが気軽にできる環境なので、、、
繁盛が続くことはないとみてましたが、、、数字はそれを裏付けているようです。
昨年対比既存店の落ち込みが激しいです。
これは新店効果が続かないのと都心部の自社競合、新規参入が加わっています。
ペッパーフードの会社としても、売上のウェイトが「いきなりステーキ」に偏ってきていますから、
不採算部門になろうものなら、あっという間に苦しくなります。
実際に、既存店の数字はこんな感じで昨対比90%前後です。
これに加え、アメリカのFRBの利上げにより、円安ドル高に振れてきます。
為替差損が発生する可能性もはらんでいます。
やるべきことは、いきなりステーキの地方進出のストップと、地方用業態への転換です。
このまま押していくのは、地方の支持を得ません。
スターバックスが、地方出店を何とか成功させたのは、
ドライブスルーを導入したためです。
いきなりステーキがドライブスルーってわけにはいきませんが、もう一度ゼロに戻して考えてみなければいけないでしょう。