海外で日本食を出すということ

海外のお仕事

海外で日本食が、最近、注目されているようだ。

今日も、テレビ東京でかつお節について放映していた。

皆さんはご存知かどうか知りませんが、本物のかつお節は海外ではほとんど使われていない。

その理由は、いろいろあるのだが、

今日のテレビ東京では、製法の問題で輸入できないという理由があるということ。

「発がん性物質」が微量含まれているらしい。

テレビで紹介された理由のほかには、「カビをつける」という概念がないため、

輸入許可が下りないのだ。

そのほかにも、最も紹介されなかった重要な問題がある。

仮に輸入許可が下りたとしても、価格が合わないのである。

削ってフワフワしたものを運んだら、当然ながら価格は数倍に跳ね上がる。

和田久という会社が、スペインでかつお節を作り始めたらしい。

食材の現地生産が始まってこそ、本物の日本食が、手に入る価格で提供できるのだ。

海外で日本食レストランを何件かやったけれども、

そもそも、日本でレシピを組んでもほぼ無駄だ。(参考にはなるが)

現地に行って、現地にあるリーズナブルな食材で作ってこそ、

レストランが成り立つのである。

kaigai

だから、私たちが海外でレストランプロデュースをやる場合、

イメージは組み立てても、味に関してはほぼ白紙で行く。

現地に着いたら、とにかくスーパーマーケットと市場に行く。

そこで、庶民的な価格のものの組み合わせを考えるのである。

アラスカのラーメンが、ハリバットのあらで作られたように。

台湾での焼き鳥のタレが、日本酒やみりんではなく現地の安い○○(※秘密)で作られたように。

机上の論理は全く通用しない。

日本のフランス料理を、わざわざバターを輸入して作らないでしょう。

なんちゃって日本食が、海外の人の思い付きから出てきていると勘違いしてはいけない。

本物の日本食を作ろうと思っても、食材がない。

仮に輸入したとしても、とてもじゃないが価格が合わないのだ。

かつお節を使わないのは手を抜きたいだけではないのだ。

だから、やたら日本流を押し付けるのはよして、食材の現地工場を作るほうが先なのだ。

それこそ、価格が合うかどうかの話になりますが。

現に、アメリカにはたくさんの食材やさんが進出している。(かつお節は聞かないが。)

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